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M社は、できればディーゼルはだんだん落としていきたいという意向をもっている。 この種の大きなSUVは、街中を走ることが多いから、それを考えると大事なことではある。
チャレンジャーは新しい4輪駆動車として、車高調整システムがついていないのが惜しいところだが、ま、こうした大型SUVの時代は、もう終わっている。 そうそう目くじらを立てることもあるまい。
この種の大型SUVは、マニアだけが乗る、少数の特殊なクルマになっていくだろうから。 かつて、I社はGMに売ることを考えて3.24のV6エンジンを開発した。
北海道にエンジンエ場を建設し、その工場を稼働させるべく、このV6をつくったのだが、I社の思惑と異なり、GMはこのV6に食指を示そうとはしなかった。 そこで、、I社はこのV6をビッグホーンに載せることとした。
だからこのV6は、この種のSUVに載せるには少々高速型すぎる。 実際、ヨ−ロッパのツーリングカーレースでは、同じGMグループのオペルが、このV6を使ってレースに使っているぐらいである。
ビッグホーンはパートタイム4輪駆動だが、日本で普通に使うにはフルタイム4輪駆動のほうが使いやすかろう。 またフルタイムは、ヘヴィデューティな山登りのような状況では、運転しやすい場合がある。
道なき道を登る場合、ハンドルを大きく切る必要が生じるが、パートタイムだと、そのさい引きずり現象を起こして、にっちもさっちもいかなくなることがある。 その点、引きずり現象のないフルタイムのSUVは走りやすいのである。
とはいえ、救援が期待できないような僻地で使うには、サバイバル性の高い、パートタイムのほうがいい。 この種のクルマは、そのあたりの選択がむずかしい。

ジェミニを最後に、もはや乗用車生産からほとんど手を引いた、I社がつくる、3.24のV6を載せる大型SUV。 アメリカではトルーパー名で売られて人気が高い。
パジェロのデザインが、アメリカでは少々武骨すぎるという評価で人気がないのに対して、トルーパーはレインジ・ローバーそっくりのスタイリッシュなボディで人気を得ている。 これはそう意外なことではない。
もともと、I社というのは、ヨ−ロッパ的なクルマづくりが得意なメーカーだった。 ヒルマンのノックダウン生産から始めたいすぎは、のちのベレットやジェミニも、なかなかヨ−ロッパ的で、一般の国産車とは一味違うクルマづくりであった。
ボディはロングボディの5ドアとショートボディの3ドアの2種。 先代ビッグホーンは、レインジ・ローバーのクラシックにそっくりだったが、今回は新しいレインジ・ローバーによく似ている。
リアのドアの開き方が、かつてのランドローバー風というところまで同じである。 まったくマネマネコンセプトなのだ。
特典を与えるとしたのである。 こうして軽自動車はその特典をずっと引きずったまま、排気量が360mから550唾さらに660mへと拡大し、大きさも全長3.3m、全幅1.4mという現在へいたった。

本来、法律は時代の流れにアップトゥデイトでなければならないはずだ。 なるほど法律の変更には国会の議決を必要とするから、それが遅れがちになるのは無理ない。
しかし、軽自動車のレギュレーションの変更は、いつものことながら、毎回、毎回、あまりにも決定が遅かった。 それでもここに来て、軽自動車も他のクルマと同じように、衝突安全対策を義務づけられることがようやく決定された。
前面衝突と側面衝突(側突)について、普通の自動車なみの安全基準が設定されたのである。 軽自動車業界はてんやわんやの大騒ぎとなった。
すでに軽自動車も他のクルマと同じ道路を走っているのだから、そんなことは最初からわかっていたことなのだが。 新安全基準をクリアするためには、大きさが足りない。
幅と長さを広げてくれと、通産省にあわてて泣きついたのは、S社とM社だったという。 ところがそれに対して、F社は、幅は広げなくてよいと主張した。
F社は、これまで衝突実験を盛んにおこなってデータを豊富に蓄積している。 軽自動車は、日本が生んだきわめて特殊なクルマだ。
軽自動車がその誕生以来、ずっと特殊なまま現在にいたったのは、日本という国が行政、メーカー、そしてユーザーもふくめて合理的な判断を欠いていたからである。 一見、科学立国、技術立国の日本だが、じつはこの国には合理的判断というべきものはなく、すべてが人間関係や談合で決まってしまう。
それがいまの軽自動車を奇形にしている最大の理由だ。 そもそも軽自動車の枠がスタートしたころの、排気量250m以下という規制下では、どとうてい4輪車など実現不可能なはずであった。

当時の行政はこんな小排気量で4輪車が一人前に走れるとは考えていなかったはずだ。 それは本来、2輪車のための枠だったのである。
ところが、この盲点をついて、なんとか自動車に乗りたいと願った人たちがフジキャビンなどの250m以下の4輪車をつくりはじめたのである。 この250mの乗用車というジャンルは、しだいに広がりはじめ、それを見た通産省は、その規制枠を見直して360匹に拡大することとした。
たとえ拡大したとしても、360αで自動車を走らせるというのは、依然として無理があったのだが、それができれば、税法上に近いはずだ。 もし、アメリカ輸出仕様の軽自動車が出るとすれば、ことは面白い。
アメリカではジャーナリズムが力を持っている。 もし、そのジャーナリズムが軽自動車を支持したら、軽自動車のシティコミューターとしての可能性はおおいに広がる。
その逆に、あんなものは危険だから乗るなとなったら、可能性は一気にしぼんでしまうだろう。 ここは面白いところだ。
今回の改正で誤解してはならないのは、日本の道路を走る軽自動車が、すべて安全になるわけではないということだ。 1日以降、新車登録されるクルマが、その基準をパスして出てくるのである。
そして、これが重要なのだが、新しい安全基準の軽自動車がある程度行きわたった段階で、高速道路での最高速度が、現在の数キロから普通車と同じ100キロへと引き上げられることになるだろう。 こうなると軽自動車は一気に実用性を得ることになり、マーケットのかなりの部分が軽自動車に移行することも考えられる。

その可能性はかなり高い。 なぜなら、いま世界的に燃費指向、CO2削減への指向は日に日に強まっているのだから。
あれこれの交渉の末、結局、新しい軽自動車の枠は、全長は3キロ延長され、全幅も8mの拡大ということになった。 軽自動車にとって、側突対策はきわめてむずかしい。
8mの拡大とはいえ、あんなぺラペラのドアで対応しなければならないのなら、いっそ2枚ドアにしたほうがいいかもしれない。 構造上そのほうが側突には強いからだ。
だが、いまや軽自動車も4枚ドアが普通だから、ことはそう簡単ではない。 おそらくF社は、センターピラーとサイドシルの強化によって対応してくるのだろう。
今回のルールの改正は、日本の軽自動車にとって、きわめて重大なことだった。 なぜか。
それはこの安全基準をパスした軽自動車は、アメリカ・マーケットに輸出できるからだ。 従来、アメリカの安全基準をパスしない日本の軽自動車は、輸出が不可能だった。

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